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パワー計測について
 

パワー計測について


チューニングを行うにあたって、誰でも一番に気になるのはどれだけパワーやトルクが上がったのか? って事。
実際は結構パワーアップしててもフラットな特性だと体感が難しかったり。。。
逆にパワーが出て無くてもプラシーボ効果で妙にパワーアップを感じてみたり。
パワーやトルクって意外と判りにくいモノだったりします。
それを数値としてハッキリさせるのがパワー計測。
今回はそんなパワー計測についてのホントのところ。


チューニングカーのパワー計測って、ご存じの方も多いですが結構昔から ( ブームは1980年代から ) あります。
あの頃は月刊誌で毎回のように車自慢の読者が計測にチャレンジする記事が載ってましたよね。
まだ今のような精度の高い計測ではなかったけれど、それでも 1馬力でも多く出そうと大勢が競い合ったものです。

今は昔より遥かに精度の良い計測器が主流になって来てはいるけど、必ずしもエンジンの持つ最大値が測れているかは判りません。

それはなぜか?
答えは簡単、それはエンジンを制御する ECU に学習があるからです。

良い学習状態ならば結果も良くなりますが、良くない学習状態ではパワーもトルクも抑え込まれてしまいます。
今の車は ECU の能力に大きく依存しているし、その ECU の学習状態が大事なのは言うまでもないですからね。
学習状態の違いにより、パワーやトルクの本当の最大値とはズレが出てくるのです。

また、どんなに精度の良い計測器であっても、実走行とは異なります。
実際に ECU の現車セッティングする際も、計測器の上の数値はあくまでも目安。
そこから実走行を重ねてブースト調整など微調整が入って本当のパワーになる。


ちなみに当サイト内にはパワー計測グラフを多く掲載していますが、純正状態の計測は ECU 学習後で、セッティング後の計測は ECU 学習前になります。

セッティング後は、いじった部分の効果を正確に知るために必然的に ECU 学習前の素の状態を測るワケです。
( ECU の仕組として、書き換えると学習値が必ずクリアされてしまうのも関係します )

WRX-STI ( EJ20系 ) は、元々チューニングによる上がり幅が適度にあるせいか ECU 学習前でも全域で効果が出やすい傾向があります。
それに対し WRX-S4・レヴォーグ系は、少し学習を積まないと特に低回転域とか出にくい傾向があるようで。

まあ、AT 車の場合、ある程度正確に測れるようになったのは割と近年になってから。
ちょっと前までは測っても本当に目安程度で正確な馬力は判らなかったんですよね。
負荷のかかり方の違いもあるから、特に回り始めの低回転は学習が重要なんでしょうね。

このようにエンジンや駆動方法、ECU の学習状態の違いによっても計測値に差が出るのがパワー計測の面白いところかな。


備考

記事掲載日 : 2021/08/12